神経内科医からのメッセージ

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福島県立医科大学医学部 神経内科学講座・教授
宇川 義一 Yoshikazu Ugawa(うがわ・よしかず)

脳神経内科の特徴について教えてください。
脳・脊髄・筋肉などを障害されるすべての疾患を見る科です。他の内科と同様に(高血圧、糖尿病など)、多くの患者さんと一生一緒に病気と闘う事が多いと言う特徴があります。難病と言われていた疾患が多く、最近新しい治療が多く出てきている科です。
患者さんとのコミュニケーションで心がけていらっしゃることを教えてください。
患者さんに解ってもらえる様に、時間を取って話すことです。近年ではインフォームドコンセントの書類のため、医師は言うべきことをとにかく言うことに一生懸命になりがちです。しかし、患者さんは突然言われたことに準備がないと、何を質問してよいのかも解らない時があるはずです。そこで、こちらから言った後に、質問できる時間をなるべくとる事を心がけてます。また、次にお会いする時にも質問がないかを聞くことも重要と思っています。
患者さんとの心に残るエピソードを教えてください。
直す事ができない遺伝性疾患の患者さんのところ訪問した時に、患者さんと旦那さん息子さんが喜んでくれた事。現代医学でも我々が直す事ができない遺伝性疾患があります。広い福島では、そのような患者さんは自宅の近くの医師が経過を見ることが多いです。そこで毎日通院している病院に訪問した折に、外来に来ていただき患者とその後家族と再会した時のエピソードが心に残りました。医師としては直せないと言う歯がゆさと、患者さんにそれでも安心してもらった安堵感とがありました。
患者さんへのメッセージをお願いします。
経過の長い病気が多いですが、近年の研究の進歩によりこの10年で治療法が非常に進歩しています。ぜひ、一緒に病気と闘いましょう。

順天堂大学医学部附属 順天堂医院 脳神経内科 教授
服部 信孝 Nobutaka Hattori(はっとり・のぶたか)

脳神経内科の特徴について教えてください。
脳神経内科医は、実は専門性の高い総合医と思っております。難病のみならず、生活習慣病の一つである脳卒中、そしてアルツハイマー病とその対象は多岐に渡っています。アルツハイマー病も現代では、生活習慣病として捉える必要があると言われております。脳神経内科医の対象とする疾患は、難病から内科疾患に伴う神経症状まで全身を対象としているのです。更に神経難病に対するチャレンジ精神的に新規治療方法を開発すべくフィジシャン・サイエンティストを目指すのが脳神経内科医とも言えます。その自負心を持って、患者さん側に立った心ある臨床医の集団と思っております。
患者さんとのコミュニケーションで心がけていらっしゃることを教えてください。
神経難病が多いので、いつも患者さん側に立ったコミュニケーションを心がけています。 そしてどんな時も患者さんの不安を払拭できるよう、メールや電話で答えられるような臨床医としてのスタンスを守っております。
患者さんとの心に残るエピソードを教えてください。
小生は、パーキンソン病を主なライフワークとしております。沢山のエピソードを持っておりますが、今も大事にしているのは、患者さん達と年一回温泉旅行に行って、病気のこと家族のことを語り合える時間を持つことを14年間続けております。大勢の患者さんとその家族がお酒を飲み交わし、熱く語る時間を共有出来るのは、小生にとっても財産です。いつも患者さんの立場に立った、医療提供を目指しています。
患者さんへのメッセージをお願いします。
脳神経内科は、様々な疾患を対象としています。その中には治療が難しい神経難病も含まれます。治療も難しい疾患もあり、多くの脳神経内科医が臨床と研究に打ち込んでいます。決して諦めない、精神が大事であり、我々も諦めない精神で難病に取り組んでいきます。常に不断前進でチャレンジ魂で前向きに進んで欲しいと思います。

広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 脳神経内科学 教授
松本 昌泰 Masayasu Matsumoto(まつもと・まさやす)

脳神経内科の特徴について教えてください。
丁寧な問診、診察と豊富な経験から、患者さんが不安に思っている各種の症状の原因について的確に診断し、治療する姿勢が際立っている診療科であり、今後の予後などについて詳しい説明を得られることが多いです。また、多くの難病によりそってきた経験から、心の優しい頼りになる医師が多い診療科であると言えます。
患者さんとのコミュニケーションで心がけていらっしゃることを教えてください。
自分より年配者は自分の父母、兄、姉、自分と同輩の方は自分の友人、自分より若い方々は自分の子供だったらというようなつもりで、寄り添い、自分の専門的知識や経験が少しでも役に立てたらというような気持ちで、取り組んできています。
患者さんとの心に残るエピソードを教えてください。
それまで的確に診断されていなかった「群発頭痛」や、これまで直らなかった「めまい」が適切な治療法や治療薬で軽快して感謝された時などは、大変嬉しいものです。また、「先生助けて!」と言われながら、助けることができなかった若い体育の教師の方とか、難病で救い切れない病に寄り添うご親族の方々が「身内を苦しめた憎い病の原因の究明のために、解剖して徹底的に究明し、今後の同様な病で苦しむ人々を救うために研究に役立てて下さい」と涙ながらに訴えられたときなど、悔しさとともに、そのような方々の思いに感動し、病と闘うファイトを与えてくれたことなどは忘れることができません。
患者さんへのメッセージをお願いします。
医師と患者さんの関係は症状や病が出発点となる関係ですが、両者の関係もヒトのあらゆる人間関係と同様に、よいコミュニケーションによるお互いの信頼関係がなければ、最善の医療を提供できない場合があります。医師は患者さんにとって頼りになる存在であろうと努力していますが、患者さんもそのような医師の能力を発揮しやすくするべく、こころを開きつつ「親しい仲にも礼儀あり」の姿勢で臨んで頂ければと思います。

北海道大学大学院 医学研究科 神経内科学分野 教授
佐々木 秀直 Hidenao Sasaki(ささき・ひでなお)

脳神経内科の特徴について教えてください。
患者さんの中には、複数の医療機関を受診して診断のつかないことから医療機関に不信感をいだいて受診される方がいます。でも、皆さんを脳神経内科に紹介してくれた先生は、神経疾患を疑い、脳神経内科を理解している方なのです。
患者さんとのコミュニケーションで心がけていらっしゃることを教えてください。
初診では、お話をよく聴くことを優先しています。医師が聴きたいことはその後から質問するようにしています。また、再来では笑顔で帰ってもらうように心がけています。
患者さんとの心に残るエピソードを教えてください。
片頭痛の女性患者さんのお話です。今まで頭痛発作に苦しみながら仕事や家事を何とかこなしてきたかたです。薬物治療で発作回数が減ったときは、重くどんよりと曇っていた空が、晴れて青空になった感じとのことです。そして、薬で頭痛発作が軽く済むようになった時には、別の人生が始まったようだと喜んでいました。
患者さんへのメッセージをお願いします。
特に難治性神経疾患の患者さんへ。今は治せない病気であっても、難病の医療を支えて研究に取り組んでいる脳神経内科医があなたの傍らにいます。
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